『ふしぎ遊戯 玄武開伝』第12巻は2013年5月に発売された人気漫画。
四神天地書という経典が軸となるファンタジー物語です。
ふしぎ遊戯(朱雀編)のエピソード1ともいえる作品。
前作を読んでいる人はより楽しめる内容となっています。
そんな『ふしぎ遊戯 玄武開伝』のあらすじについて
感想を交えながらご紹介します。
今回ご紹介するのは第12巻。
とうとうクライマックスを迎える、目が離せない最終巻です。
ふしぎ遊戯玄武開伝12巻のあらすじをネタバレ!
女宿が北甲国の新皇帝になったのもつかの間、倶東軍がすぐそこまで迫ってきていました。
全員揃った七星士たちはそれぞれの能力を使い、倶東軍に立ち向かいます。
一軍二軍を次々に撃退する玄武七星士たち。
根比べ状態が続く中、女宿は倶東軍の皇太子玻慧の元に姿を現し、北甲国から退くよう訴えます。
そんな中、空から大量の雹が降り注ぎます。
街も城壁も一瞬で破壊され、城の中へと撤退するしかない状態に陥ります。
そんな様子を見た多喜子は玄武を召喚する決意を固め、玄武廟へと足を運びます。
玄武を呼び出すことでしか、国を守る方法はない。
放っておけば凍っていく国で人々は助からない。
多喜子は自分の最後の願いを叶えたいと七星士の皆に訴えます。
女宿は玄武召喚を反対しますが、病で命を落とす前に玄武を呼び出したいと願う多喜子の強い想いを受け止め、召喚の儀式を行う決意をします。
強力な寒波が近付く中、儀式を急ぐ多喜子。
吐血しながらも多喜子は玄武召喚の祝詞を唱え続けます。
儀式の途中に攻め入ってくる倶東軍。
玄武召喚のために七星士としての能力を巫女の多喜子に預けてしまった7人は、自力で応戦します。
そんな中、逃げ込んだ市民に扮した紫義の手によって虚宿が刺されてしまいます。
一人でも欠ければ神獣は召喚できない。
紫義はそこを狙ったのです。
しかし、多喜子は祝詞を唱え続けます。
四神天地書を炎の中にくべ、ついに玄武は召喚されました。
同時に息をひきとった虚宿。
虚宿をかばい、大量の矢を浴びた斗宿もその場に倒れてしまいます。
玄武を召喚した多喜子は光の中へと姿を消します。
そこで玄武星君を対面し、三つだけ願いを叶えると伝えられます。
『開神』
そう唱えれば、玄武の神力により願いが叶う。
玄武の力を得た多喜子は一つ目の願いを発動します。
「この国に再び春を取り戻す」
すると空が動き、太陽が姿を現します。
が、願いの代償として、多喜子は玄武に身体を喰われていってしまいます。
身体の中で何かが変化しているのを悟る多喜子でしたが、力を振り絞り二つ目の願いを発動します。
「この国にいる生命あるものすべての回復を」
そう唱えると星命石から生まれた壁宿は『生命の水』に還ると多喜子に言い残し、国中に大量の雨を降らせ、敵味方関係なくすべての人々を癒したのでした。
国中の雪が解けて歓喜に沸く人々。
しかし二つの願いを叶えた多喜子の身体は玄武に食い破られて限界寸前でした。
その瞬間、多喜子の父・永之助の声が聞こえてきます。
自身の手に刀を立てた永之助。
父と子としてつながっている『血』で喰われていく多喜子を救うと訴えかけます。
それはとても悲しい手段でした。
永之助は自ら心臓を突き刺し、同時に多喜子の命を絶つ方法を取ったのです。
多喜子は最後の力を振り絞り、自分は永遠にあなたの腕の中にいると女宿に伝えます。
そうして永之助が息を引き取ると同時に多喜子もまた力尽きたのでした。
多喜子は三つ目の願いを残したままでした。
女宿と恋仲でありながらも自分たちの幸せは願わなかったのです。
最後まで北甲国の民のことを一番に考えていた多喜子に代わり、玄武への最後の願いを国民たちは願いつづけました。
何処の時代でも世界でもいい。
再びふたりがめぐり逢い、二度と離れないように。
最初の巫女、奥田多喜子の生涯は波乱ながらも幸せな物語を綴ったのでした。
ふしぎ遊戯玄武開伝12巻の考察感想まとめ
とうとうふしぎ遊戯玄武開伝の物語が完結しました!
前作のふしぎ遊戯で多喜子が死亡することはわかっていましたが、こういう結末になるとは…涙、涙です。
多喜子以外にも死ぬことはわかっていた人物もいましたね。
虚宿と斗宿です。
後に現れる『朱雀』『青龍』『白虎』の巫女のために、多喜子がつけていた首飾りを神座宝として思念体のまま護り続けていくことになります。
そうして前作のふしぎ遊戯につながっていくというわけですね。
虚宿は決戦前に戯れに多喜子を抱きしめ、
「出来心!」
と笑っていますが、ホントはずっと多喜子のこと好きだったと思うんですよね。
でも多喜子が女宿のことを想っているのを知っていたから何も言わず見守っていた。
いい男じゃないですか…ホロリ。
虚宿の生き様をぜひ漫画版でチェックしてみてください。
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でもやっぱり一番いい男なのは…女宿じゃないでしょうか。
多喜子が死んでからもずっと妃を迎えることなく、生涯独身だった女宿。
家臣から絶対結婚を勧められたでしょうに、多喜子への愛を貫いたんですね。
結婚式での誓いを最後まで守り抜いた女宿の姿に感動ものです。
この作品で作者の渡瀬先生は命の尊さについても語られています。
命は簡単なものじゃない。
だからこそ尊い。
あらためて命の大切さを知ることができる名作だと思います。
ついにクライマックスを迎えた最終巻。
多喜子と女宿の恋の行方をぜひ漫画版でお楽しみください。