小さい頃のぼんやり覚えている記憶。
3月3日の桃の節句に備えて
親が毎年雛人形を飾ってくれたものです。
人形たちが災厄の身代わりになってくれていたのか
大きな怪我も病気もすることなく大人になりました。
雛人形はいわば子供の成長を見守ってくれる守り神。
大人になったその後はどう扱うべきなのでしょうか。
娘が生まれたらその子に引き継ぐ?
それとも役目を終えたものとして処分する?
でも子供の頃に親や祖父母が買ってくれた雛人形に対して
色んな思いを持っている人もいるはずです。
雛人形の最終的な行き先はどこにあるのでしょうか。
そんな疑問についてわかりやすくまとめました。
雛人形は大人になったらどうするべき?
大人になって扱いに困るもののひとつが『雛人形』ではないでしょうか。
雛人形は子供にふりかかる悪いものから守って身代わりになってくれる存在。
日本古来の文化として、今でも根付いている行事です。
そして子供が無事に成長して立派な大人になった時。
「まだ飾っておいた方がいいのかな…?」
「もう大人だし処分した方がいいのかも…」
どうするべきか人形の扱いに困る人も少なくないと思います。
結論として、雛人形は古いものだからと必ず処分する必要はありません。
ただ、着物が傷んでしまっていたり、お顔にカビが生えてしまっているような状態であれば処分を検討するべきでしょう。
カビの侵食が進んでしまえばいざ処分を、となった時にとんでもないことになっているかもしれません^^;
ですがまだキレイなお雛様を無理に捨てるくらいなら、幼稚園や養護施設、老人ホーム等に相談して寄付する…といった形もあるのです。
私の知り合いの飲食店ではひな祭りの時期、店舗入口を華やかにするために
「知り合いからお古を貰ってきた!」
とケース入りの親王飾りを飾っていました。
入口は誰もが通る場所なので雛人形たちの華やかな雰囲気に、出入りするお客さんからお褒めの言葉を頂いていたそうですよ。
雛人形たちもそんな風に言ってもらえてきっと嬉しかったでしょうね^^
ちなみに我が家の話ですが。
私は生まれてすぐ、母方の祖父が七段飾りの雛人形を用意してくれました。
私の母はマメだったこともあり毎年きちんと飾ってくれて、片付けの際もきちんとお手入れをしてから片付けるようにしていました。
そういった経緯もあってか、雛人形の保存状態も良く今でもキレイなので、私が大人になった今でもお雛様とお内裏様だけ飾ってくれています。
「さすがに七段は腰にくるから無理だわ~」
と苦笑いしながら、親王飾りだけでも飾ってくれていました。
ありがとう、お母さん。
また、ひとつ確実にわかっているのは、雛人形を飾りそびれると婚期が遅れてしまう…という巷のあのウワサ。
あれ、嘘ですよ。
胸張って言えます。←キッパリ。
だって毎年母はきちんとお雛様を飾ってくれていたのに、私今でも独身現役ですから(笑)
ただ、母が今まで大事に保存してくれたものなので、私がいつか結婚する日がきて娘が生まれたらこの雛人形を飾ってあげたいなと考えています。
雛人形は代々受け継ぐものではない?
雛人形は一人に対して一体用意するのが元々の慣わしですから
「お下がりを子供にまわすなんてとんでもない!」
なんて考えを持つ家庭や地域は実際に今でもあります。
お人形を扱う業者さんなら、余計にそういった意見をされるのではないでしょうか。
本来の伝統の形とは違いますし、言ってしまえば…ぶっちゃけ売上も上がったりですからね^^;
ですので、嫁ぎ先の家の考えとお嫁さんの考えが合わずに衝突してしまう…なんて話もよく耳にします。
そうはいっても親や祖父母が用意してくれた雛人形に対して、今までの色んな思い出をもっている人も少なくないはずです。
それに、よく考えてみてください。
ひな祭りの時期になると、地域ごとに様々なイベントが催されます。
そんなイベントの中には江戸時代から現代まで残された、由緒ある人形を公開している…なんて地域もありますよね。
200年以上も前から今まで無事に現存している雛人形を目の当たりにして
「素晴らしいわ…」
とため息モノで眺めている人もいるのに、一般家庭の雛人形は古くなったら捨てるもの!という考え自体が矛盾しているように個人的には思うのです。
実際、旧家の大きな家柄ではそれこそ昔から伝わる伝統のお人形を代々受け継いでいるところもあります。
そもそも雛人形の起源は色んな説があるとされていますが、始まりは縄文時代の土偶だったとか。
災厄の身代わりという意味合いを持つようになったのは室町時代からですが、紙で作った依代(よりしろ)に子供の厄を移して川に流していたそうです。
それから時代が進み、江戸時代になると今の形に近い雛人形に形を変えています。
土偶から雛人形ですよ?
時代の移り変わりとともに扱い方に変化が出てくるのも、当然といえば当然の流れと言っておかしくないでしょう。
現代では確かに雛人形は大人になってしまえば不要なものかもしれません。
ですが、自分が小さい頃に高いお金を出して用意してくれた親や祖父母の気持ちや人形そのものの状態を考慮して、
●傷みが激しいのなら処分を検討するか
家族で良く話し合って決めると良いでしょう。
地域や育った環境によって考え方は十人十色です。
どちらの形をとっても間違いではないので、後悔のない選択をすることを第一に考えてみてください。
古い雛人形は処分するのが当たり前?
雛人形は子供の身代わり。
役目を終えたら処分するもの。
元々の起源自体はそうですが、地域によって考え方はそれぞれ。
ですので、古い雛人形は捨てるのが当たり前という風潮そのものが今の時代とは少しズレが出てきていると言えるのかもしれません。
「周りがやっているから一応うちの子供もやっておいた」
といった考えのご家庭もあるでしょうし、特に思い入れがないのなら処分してしまって問題ありません。
逆に、まだ捨てたくはないけれど、経年劣化で飾るにはちょっと…といったお人形もあると思います。
そんな時には人形業者の専門店に修繕の相談をしてみるか、いっそ腹をくくって思い切って処分するか。
この辺りは考え方次第なので、自分の納得のいく答えを実行して問題ありません。
ただ、前述したように雛人形は子供の災いを引き受けてくれる守り神。
処分する際には、人形供養祭のようなイベントや人形の引受可能な神社やお寺での処分をオススメします。※引受不可のところもありますので、事前に問い合わせておくこと
引き渡しの際には、拝殿前で
「今まで見守ってくれてありがとうございました」
そんなお礼の気持ちを神様を通してお祈りすると、よりベストでしょう。
古来から伝えられてきた雛人形を飾る日本独特の文化である『ひな祭り』。
もし、お子さんを授かってその子が女の子だったら。
そしてある程度物事がわかる年齢になったら。
雛人形を飾る意味やその伝統も一緒に教えてあげてくださいね。
以上、雛人形の継承、そして処分についての解説レポをお届けしました。
まだ飾り続けるか、捨ててしまおうかとお悩みの方の参考になりましたら幸いです。
まとめ
- 雛人形は古くなったからとはいえ状態が良ければそのまま飾っても問題ない
- 近所の幼稚園や保育園、老人ホーム等引き取ってくれる場合もあるので尋ねてみるのもアリ
- 処分する際は今まで子供を見守ってくれたお礼の気持ちを持って処分先へ引き渡すこと
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