「破魔矢ってどこに飾ったらいいの?」
縁起物として神社からいただいたものの、
飾り場所がわからず困惑する人も少なくないはず。
そんな破魔矢の扱いについて
わかりやすく解説しています。
気になる破魔矢のご利益や歴史、
処分に関する疑問もこちらで確認できますよ。
破魔矢は玄関に飾るもの?
初詣や初節句、七五三のお参りの際に縁起物として授与される破魔矢。いただいてきたはいいものの、どこに飾ったらいいのかわからず首を傾げている人も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
よく耳にするのが、
「破魔矢は玄関に飾ると良い」
という考え。
果たしてこの考えは本当なのか、気になるところですよね。
ということで、神職をしている友人に破魔矢の飾り方について尋ねてきました!
返ってきた答えは、
「神棚があるお宅なら神棚へ。神棚がなくても粗末にならない場所であればどこでも良い」
とのこと。
ただし、お札を祀る時と同じように目線より上になる位置に飾るのが基本。それ以外は『絶対ここに飾るべし!』といった厳格な決まりがあるわけではないようです。
何故玄関に飾る人が多いのかも合わせて尋ねてみましたが、破魔矢はその名のごとく『魔を破る』という意味を持ちます。家の入り口である玄関から『災いが入ってこないように』という祈りを込めて、あえて玄関を選んで飾る人が多いのではという意見をいただきました。
ですので、
「家族を守ってくれますように」
という気持ちのもと、家族全員が集まるリビングを選んで飾るご家庭もありますし、床の間があればそちらでもかまいません。飾る方角についても特別気にする必要はありませんが、矢先がその年の凶方位を向くように飾る人も多いのだとか。要は個人それぞれの考え方次第ということですね。
ただ、たとえ目線より上に設置したとしてもトイレ周りは不浄とされているので、普段からキレイにしている場所を選んで飾るのが望ましいといえるでしょう。
破魔矢がもたらす効果とは?
神社からの授与品ということもあり、縁起が良さそうなのはわかっていても
「実際、破魔矢ってどんなご利益があるの?」
なんて思ったことはありませんか?
破魔矢のそもそもの由来は、弓の技を競う行事において用意された『はま』からきています。
『はま』とは弓を射る的(まと)のこと。それが年月を経て魔を打ち破る『破魔』となり、的を射る矢も『破魔矢』と呼ばれるようになりました。
そしていずれ家長となる男子が生まれた家には縁起物として贈られるようになり、いつしか
「良き一年を迎えられるように」
と、家庭の災難を退ける為の魔よけとして正月の初詣で広く授与されるようになったのです。
また、破魔矢の先端が丸く作られているのはあくまでも邪念や災いをもたらすものを退ける守護であるために、形のないものに対して矢先を尖らせる必要はなかったから。そういった歴史の背景をふりかえると、日本古来から伝わる伝統的な縁起物ということがわかりますね。
破魔矢は処分しないままでもいい?
「破魔矢ってそのままとっておいてもいいの?」
ずっと持っていてもいいのか、それとも処分するべきなのか、このあたりも気になるところではないでしょうか。
神社に初穂料を納めて授与されたものもあれば、初詣の催しのくじ引き等でも持ち帰った…なんてケースもあると思います。
「せっかくだから記念にとっておきたい」
と考える人も中にはいることでしょう。
ですが、破魔矢はお札やお守りと同じように授与されてから1年を目安に神社にお返しして、また新しいものを受けるのが本来の形です。
神道には『常若(とこわか)』という考えがあります。読んで字の如く、「常に若く新しく」という意味ですね。
いつも新しく清浄であることこそが大切。わかりやすく言えば、新しいものほど災いから守ってくれる力が大きいということになります。
次の年も平穏無事に過ごせるように、今年一年家を守ってくれた破魔矢に感謝を込めて神社にお返しして、また新しい破魔矢を飾りましょう。
ちなみに『1年』というのはあくまでも目安ですので、破魔矢を頂いてからまだ1年未満であっても初詣に合わせて古いものをお返しして新しいものを受ける形でも問題ありません。もちろん、きっちり1年間飾っておくのもOKですよ。
お正月の時期には古札納め所を通常より広く用意している神社が多く、返納もしやすいので年が明けるのを境に新しいものに替える人がどちらかといえば多い、ということです。
ご家庭それぞれの考え方やスタイルに合わせて、粗末にならない扱いを第一に心がけるようにしてくださいね。
まとめ
- 破魔矢を飾る場所は目線より上の位置であればどこでも良い(不浄な場所は避けること)
- 破魔矢は災いから家や家族を護る魔除けのご利益がある
- 返納の際は1年間災いから護ってくれた感謝を込めてお返しすること
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