『ふしぎ遊戯 玄武開伝』第9巻は2008年10月に発売された人気漫画。
四神天地書という経典が軸となるファンタジー物語です。
ふしぎ遊戯(朱雀編)のエピソード1ともいえる作品。
前作を読んでいる人はより楽しめる内容となっています。
そんな『ふしぎ遊戯 玄武開伝』のあらすじについて
感想を交えながらご紹介します。
今回ご紹介するのは第9巻。
日本に戻った多喜子の揺れ動く心を描いた見逃せない1巻です。
ふしぎ遊戯玄武開伝9巻のあらすじをネタバレ!
女宿たちに「必要ない」と言われ、元の世界へ戻ってきた多喜子。
もう2度と本の中には入らないと決め、父である永之助も四神天地書の処分を決意します。
母・美江の葬儀も終わり、多喜子は元の生活を取り戻そうとするものの、本の中の仲間たちのことが忘れられません。
そんな中、多喜子が学校に行っている間に永之助は四神天地書の焼却を試みます。
しかし、本は少しも燃えることなく原形を保ったまま。
この本は生きている。
再び多喜子が本の中へ戻るのを待っている。
四神天地書の恐ろしさに、永之助は背筋を冷たくするのでした。
* * * * *
そしてある日、多喜子の家に及川医師が訪ねてきます。
及川医師は東京で美江を診ていた当時の医師の助手をしていた人物でした。
突然の訪問には理由がありました。
なんと「多喜子をお嫁にほしい」と申し出たのです。
早く本の中のことを忘れたかった多喜子は及川医師の求婚を受けようと決意します。
及川医師に抱きしめられ、この人の奥さんになるのだと自分に言い聞かせる多喜子。
ですが、自分の知っている腕ではないと痛感してしまいます。
知っている腕の強さ。
知っている匂い。
知っている声。
もう会えないのに、まだ女宿をこんなに愛している。
女宿だけを強く求めている。
止まらない涙をおさえながら家に帰ろうとしたところ、多喜子は突然せき込みます。
咳が続く多喜子を及川医師が心配していると、なんと多喜子は吐血してしまいます。
それは母と同じ、肺病を発症した瞬間でした。
自分は死んでしまうのか?
多喜子は『死』への恐怖に直面します。
死を身近に感じ、女宿に会いたいという想いが強くなる多喜子。
及川医師にやはり結婚はできないと伝え、もう一度四神天地書の中へ戻りたいと願います。
その頃、父・永之助は四神天地書を封印しようと『玄武洞』へ来ていました。
燃やすことも破り捨てることもできないなら埋めてしまうしかない。
永之助は一心に土を掘り続けました。
そんな永之助の元へ現れた多喜子。
四神天地書を手に、本の中へ戻ると永之助に告げます。
しかし永之助は元の世界へ帰るように仕向けた七星士の気持ちを考えるよう多喜子を諭します。
『巫女は神獣を呼び出すとき 生贄になって喰らわれる』
玄武を呼び出すことは、多喜子が死んでしまうことと同じ。
それならば、たとえ離れ離れになっても生きていてほしい。
そんな想いがあって、七星士たちは多喜子に「必要ない」と冷たい態度を取ったのでした。
すべて自分を想ってのことだった。
そのことを知った多喜子は改めて本の中に戻ろうと強く思います。
すると四神天地書が光を放ち、多喜子を本の中へ導きます。
死にに行くのではありません。
みんなと生きるために参ります。
そう父に告げた多喜子は再び本の中へと姿を消すのでした。
ふしぎ遊戯玄武開伝9巻の考察感想まとめ
ふしぎ遊戯玄武開伝9巻は盛岡へ戻った多喜子の揺れる気持ちを中心に描かれています。
なんと現実世界に戻ったとたんに、求婚された多喜子。
しかも相手はお医者様。
誰もがうらやむ相手…なのに女宿のことが忘れられなかったんですね。
四神天地書の存在さえなければ七星士たちとも関わりなく、多喜子はいつか及川医師と結婚して何不自由ない生活を送っていたかもしれません。
でも、本の中で女宿と出会ってしまった。
もうこれは運命としか言いようがないです。
女宿への想いを改めて自覚した多喜子。
多喜子の揺れ動く気持ちをぜひ漫画版でチェックしてみてください!
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そして話は急展開。
なんと多喜子が肺病になってしまいました。
実は前々からその兆候はあったんですよね。
虚宿の村に滞在していた頃から時々咳き込んでましたし。
この時代だと肺病は不治の病だから、『発症=死』という考えが一般的。
死を覚悟した多喜子が強く想ったのはやっぱり女宿の存在でした。
肺病で命を落とすか。
玄武を呼び出して生贄となるか。
どちらにしろ、多喜子の運命は『死』へと向かっていきます。
本の中へ戻った多喜子は一体どうなってしまうのか。
北甲国の運命を背負った巫女と七星士の物語をぜひ楽しんでみてください。