『鬼滅の刃 風の道しるべ』は2020年7月に発売された
鬼滅の刃公式ノベライズ作品です。
本編では入りきらなかったサイドストーリーを楽しめる
一冊になっています。
そんな『鬼滅の刃 風の道しるべ』のあらすじについて
感想を交えながらご紹介します。
今回ご紹介するのは小説の中の第1話、「風の道しるべ」。
後に風柱となる不死川実弥とその兄弟子粂野匡近の物語です。
鬼滅の刃小説 風の道しるべのネタバレありのあらすじ
『風の道しるべ』第1話の物語は実弥の過去の物語です。
原作でも語られていたように、実弥は弟である玄弥を守るため鬼となった母親を殺しています。
それからというもの、実弥はできる限りの装備をして夜な夜な鬼狩りに明け暮れていました。
鬼殺隊の存在も知らず。
日輪刀の存在も知らず。
鬼を朝陽で焼き殺す。
ひたすら自分にできる方法で鬼狩りを繰り返している中、出会ったのが粂野匡近でした。
今のような戦い方ではいつか死ぬ。
鬼を皆殺しにすることなんてできない。
実弥の無茶な戦いぶりを諭すようにそう言った匡近は、
「お前に『育手』を紹介する」
と、実弥に鬼殺隊士としての道を示したのでした。
* * * * *
同じ鬼殺隊士になった実弥に匡近は本人が嫌がるほど世話をやくようになっていました。
特に気にしていたのが実弥の戦い方。
実弥は『稀血』の中でも特殊な血の持ち主で、その血の匂いは鬼を酩酊させる力を持っていました。
鬼が強ければ強いほどその血に酔うため、自分の体を傷つけながら戦う実弥のことを匡近は心配していたのです。
任務から帰還した実弥が怪我を負っているのを確認するやいなや、無理矢理蝶屋敷に連れていかれるはめに。
そして診察室でもカナエにお小言をもらうことになります。
粂野くんににあまり心配をかけちゃダメよ、と言いながらカナエは手際よく実弥の怪我の手当をすませるのでした。
手当が済み診察室を出た後、廊下で待っていた匡近に心底うんざりする実弥。
匡近は女の隊士と話しているところでした。
しゃべっているのは治療をしてくれたカナエの妹であるしのぶ。
姉妹で鬼殺隊に入るなど、実弥にとっては考えられないことでした。
血にまみれた道だとわかっていてどうして兄弟に同じ道をすすめられようか。
もし弟の玄弥が鬼殺隊に入るなどと言い出したら絶対に止める。
汚れた道を進むのは自分ひとりだけでいい――。
実弥がイライラしていると、実弥に気づいた匡近が近付いてきました。
怪我のことを心配しながらも相変わらずの調子で話しかけてくる匡近が実弥はうっとおしくてたまりません。
そんな実弥のことを気にせずおはぎを食べに行こうと言い出す始末。
罵声を浴びせながらも実弥は匡近に引きずられていくのでした。
* * * * *
時は流れて、鬼殺隊士としての階級が『甲』になった二人。
ある日、二人は共同任務に就くことになります。
町の外れにある空き家で人が消えている。
今までに隊士たちを向かわせるも、三人を除いて消えたという報告に実弥は首をかしげます。
消えなかった三人の報告によれば、鬼どころか誰ひとり空き家にはいなかったといいます。
消えた隊士、消えなかった隊士の違いは何なのか。
実弥は自身の髪をガシガシとかきむしります。
自分たちが行っても何も変わらなければ柱が動くことになっている。
でも、柱の手をわずらわせるまでもない、と実弥は意気込むのでした。
たどり着いた空き家は見事な屋敷だったものの、かなり古く陰気臭い雰囲気を醸し出していました。
薄気味悪さを感じながらも、行くぞ、と互いに声を掛け合い屋敷の中へ足を踏み入れた瞬間。
強烈な甘ったるい匂いが実弥の鼻孔をかすめたのです。
そして気が付くと一緒に入ったはずの匡近が隣にいません。
周囲を見回しても、外を確認してみてもどこにもいない――。
何よりあの匡近が自分に何も言わずにいなくなるはずがない。
訝しげに思いながらも実弥はその足を進めるのでした。
鬼滅の刃小説風の道しるべネタバレありのあらすじ!第1話は実弥の物語 まとめ
今回のお話は実弥が鬼殺隊士になってから柱になるまでの過去を描いた物語になります。
実弥の体に傷が多いのは稀血を利用した戦い方をしていたからなんですね。
単に敵と戦った後の生傷が重なっていたものかと思っていました。
まぁ、もちろん戦闘で負った傷もあるでしょうが…。
でないとあんなに傷だらけになりませんよね(笑)
さて、怪しげな匂いを放つ屋敷に入り込んだ実弥はどうなるのか?
はぐれてしまった匡近と再び再会することはできるのか?
気になる人はぜひ鬼滅の刃の小説版をチェックしてみてくださいね。
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匡近は本編で少しだけ登場した人物です。
実弥が柱になって初めての柱合会議に参加した際にお館様から匡近の遺書を渡されます。
そうなんです。
ネタバレになっちゃいますが、匡近はこの任務で死んでしまうんです。
匡近は死んだ弟と実弥を重ねていました。
だからこそあんなにウザがられても何かと世話を焼きたがったのでしょう。
自分が生きていてもいなくても、大切な人には笑顔で生き抜いてほしい。
そんな思いが綴られた匡近の遺書を読み、実弥は涙します。
実弥の玄弥に対する思いも同じようなものでした。
自分がどうなろうと、大事な弟だけは真っ当な世界で幸せになってほしい。
それだけを糧に実弥は戦いつづけているんでしょうね。
不器用ながらも本当は誰よりも優しい実弥。
実弥が柱まで上り詰めるその姿をぜひ小説版で楽しんでみてください。