『鬼滅の刃 片羽の蝶』は2019年10月に発売された
鬼滅の刃公式ノベライズ作品です。
個性豊かな登場人物のサイドストーリーが
掲載された一冊になっています。
そんな『鬼滅の刃 片羽の蝶』のあらすじについて
感想を交えながらご紹介します。
今回ご紹介するのは小説の中の第3話、「甘露寺蜜璃の隠し事」。
恋柱の秘めたる悩みの物語です。
鬼滅の刃小説 片羽の蝶のネタバレとあらすじ内容
戦闘で負傷した鬼殺隊士を看護する蝶屋敷。
そこへ怪我ひとつしていない蛇柱・伊黒小芭内が訪ねてきました。
「甘露寺さんの様子がおかしい?」
と首を傾げたのは蟲柱である胡蝶しのぶ。
同僚である小芭内は恋柱・甘露寺蜜璃の最近の様子について語り始めました。
好物の団子を50本しか食べなかったこと。
自分の手紙に対する返事が非常にそっけないこと。
真面目に話す小芭内に対してあきれたしのぶは、お帰りはあちらです、と促しましたが小芭内は引き下がりません。
さらに、柱合会議でお館様とも目を合わせようとしなかった蜜璃の様子を伝えると、それはさすがにおかしい、としのぶも首をかしげます。
お館様を尊敬し心から慕っている蜜璃の行動とは考えにくいと思われたからです。
お前も気にかけておいてくれ、と言いたいことは言うだけ伝えた小芭内は蝶屋敷を後にします。
やれやれ、とため息をつきながら背もたれに体をあずけたしのぶはいつもの愛くるしい蜜璃の笑顔を思い浮かべるのでした。
* * * * *
鬼に襲われていた男女を助けた蜜璃。
鬼の首は斬れたものの、いつもより体が妙に重たく感じていました。
それだけでなく、いつもと違ったのはうかつにも頬に怪我を負ってしまったこと。
弱い鬼でも強すぎる鬼でもなかった。
いつもの自分ならかすり傷ひとつ負わずに仕留められたはず…。
蜜璃は助けた男女を見送りながら傷を負った頬をおさえぼんやりとしていました。
そして夜の警護を終えた蜜璃は行きつけの飯屋で朝食を注文します。
天丼、盛りそば、焼き魚にご飯と味噌汁。
普段の朝食に比べれば十分の一ほどの量しかありません。
蜜璃は懸命に自分を律していました。
いつもなら誰かれ構わずキュンキュンするところを、そういった日々のときめきを禁じていたのです。
「私は添い遂げる殿方を見つけるために鬼殺隊に入ったの」
知っていたらしのぶにあんなこと言えなかったのに。
蜜璃はしのぶが家族を鬼に殺されていることを知りませんでした。
なんてバカなこと言ってしまったんだろう。
しのぶちゃんはこんな奴と一緒にいたくないって思ったかも――。
偶然隠からしのぶの話を聞いてしまった時、頭の中が真っ白になり自分の言葉を後悔するばかりでした。
そんな経緯から恋心を封印した蜜璃。
でもそんな行動が蜜璃自身を弱くしていることに気づいていなかったのです。
そこへ小芭内が蜜璃を探してやってきます。
最近様子のおかしい蜜璃を心配して話をするためでした。
何か悩み事があるのではないか。
甘露寺の力になりたい。
そう訴える小芭内の真剣なまなざしに胸の奥でキュンしかけたその時。
同時にしのぶの姿がうかびます。
――ダメ!
「ごめんなさい、私、もう行くね?」
と小芭内から逃げるように飯屋から飛びだす蜜璃。
キュンとしちゃいけない。
ときめいちゃいけない。
自分自身でなんとかしなきゃいけない。
両手で自分の頬を叩くものの、自身のもやもやはなかなか晴れてくれませんでした。
* * * * *
蜜璃の不調は日に日に増していました。
相変わらず体は重く、恋の呼吸もうまく使えない。
というよりも明らかに弱くなっている気がする。
こんな状態で柱としてやっていけるのか――。
そんな時にしのぶからの伝言が届きます。
『都合のつく時でいいので、蝶屋敷へ寄ってくれませんか』
いつもなら嬉しいしのぶからのお誘いを気まずく思う蜜璃。
しかし無視することもできず、思い足取りで蝶屋敷へ向かうと訓練場に案内されます。
どうして訓練場に?
不審に思いながら訓練場の引き戸を開けると、道場の真ん中にしのぶが座っていました。
その表情にいつもの笑顔はありません。
そして竹刀を蜜璃へ投げて寄越すと、
「少々お手合わせをお願いできませんか?」
としのぶは蜜璃へ竹刀を向け踏み込んできたのでした。
鬼滅の刃小説 片羽の蝶のネタバレ!第三話の内容は蜜璃の恋心物語 まとめ
刀鍛冶の里で、
「甘露寺さんはどうして鬼殺隊に入ったんですか?」
と問われた時、「キャーッ」と照れながら炭治郎に入隊理由を話していた蜜璃。
でもその裏ではこんな背景があったんですね。
「強い殿方に守ってもらいたい」
そんな願望は女の子らしいといえばらしくはありますが、それで柱まで上り詰めるってすごいの一言でしかないです(笑)
蜜璃はこのまま恋心を封印できるのか?
しのぶが蜜璃に竹刀を向けたその理由は?
気になる人はぜひ鬼滅の刃の小説版をチェックしてみてくださいね^^
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鬼殺隊の柱で女性は二人だけのしのぶと蜜璃ですが、両方とも違うタイプで美人ですよね。
同性ということもあって、ふたりは普段から仲良しみたいです。
しのぶは蜜璃からハイカラな洋食のレシピを教えてもらったりしているとか。
家で養蜂している蜜璃だけに食に関してはかなりこだわってそうですね。
大好きな蜜璃のために何かと奮闘する小芭内の行動も何よりの見どころエピソード。
自分自身の在り方に悩める蜜璃の物語を小説版でぜひ楽しんでみてください。